Vol.74

更新日:2021.06.09

建て替えかフルリフォームか?
メリット・デメリットを知って選ぼう

リフォーム基礎知識

  • リフォーム

金額だけでなく多角的な検討が必要

 フルリフォームか、建て替えか。今住んでいる住宅に不満が高まったり老朽化を迎えたりしたとき、どちらを選択すべきでしょうか。「建て替えよりもリフォームの方が安そう」というイメージをいだきやすいかもしれませんが、内容によって大きく左右されるので一概には言い切れません。様々なリフォーム会社等が提示している一戸建てフルリフォームの相場の上限は、2000万円前後。その予算があれば、建て替えができそうな気がして迷うところではないでしょうか。そこで、コスト面も含め、フルリフォームのメリットとデメリットについて考察していきましょう。

フルリフォームのメリットとは

 フルリフォームのメリットのひとつは、工期が比較的短いこと。工事中仮住まいの慣れない環境で暮らす負担が減らせる上に、家賃を抑えられます。また、建て替えに必要となる解体費用や基礎をつくる費用がかからないので、その分をワンランク上の設備や仕上げ材に回せるかもしれません。同じ予算設定でも、フルリフォームと建て替えではできることの中身がだいぶ違ってくるということです。
フルリフォームの場合、従来の住まいに対する不満や改善したい点を解消するという目的が明確で考えやすく、リフォーム後の様子をイメージしやすいのも利点です。

 親や祖父母の代からの歴史や思い出を受け継ぐ意味合いを大切にするなら、リフォームに軍配が上がります。家族に高齢の人がいる場合は、従来の環境を劇的に変化させることなく居住性をアップできるリフォームなら、違和感が少なく馴染みやすいといったメリットもあります。

 その他、フルリフォームは、固定資産税などの各種税金の軽減が可能である点や、解体によって出る廃材が少なく環境負荷が抑えられる点でも優れています。

デメリットも知ってこそ比較できる

 次は、フルリフォームのデメリットについて。ひとつは、間取り変更の制約を受けやすいことです。間取りをゼロから自由に設定できる建て替えとの大きな違いです。柱と梁で構成する木造軸組み構法や鉄骨造は、比較的間取り変更を自由に行なえますが、2×4や2×6といった壁の位置を変更しにくい構法では、特に制約を受けやすいといえるでしょう。

 また、建築年代の古い建物は、断熱性や気密性、耐震性が現在の基準よりかなり低いものもある点には注意が必要です。安定的な室温を保てる快適な住まいにグレードアップしようとすると、断熱材を新たに付加したりサッシを二重にしたりといった措置が必要になり、工事が大掛かりになります。耐震性についても同様で、壁に補強材を入れ、土台や柱の傷みがないか確認し、固定し直すといった手厚い補強を行えば、それだけコストがかかるのは仕方ありません。老朽化の進んだ建物の場合、解体してはじめて予想を超えた傷み具合が明らかになることも多く、当初の見積もりどおりに行かないケースもあります。建築年が1981(昭和56)年以前なら旧耐震基準で建てられており、耐震性向上には多額の費用がかかるため、建て替えの検討が必要でしょう。

住宅診断を受けた上で考えてみるのも手

 このように、フルリフォームでは既存建物の劣化が激しいほど補修のコストが上昇するので、費用対効果については慎重に吟味したほうが良いでしょう。それなりの大金を投じた挙げ句、耐震性への不安や断熱不足による室温環境への不満、冷暖房ランニングコストの浪費を抱え続ける暮らしは、おすすめできません。迷っていて決められないなら、リフォーム会社や住宅会社、住宅診断専門のホームインスペクション会社などの専門家による住宅診断を受けるのもひとつです。自治体によって耐震の簡易診断サービスや、診断費用の補助制度などがあれば、ぜひ利用しましょう。

リフォームなら法改正による影響を避けられる

 フルリフォームと建て替えを天秤にかける際、最初にチェックしたいのは、住んでいる場所の「用途地域や条例の変更の有無」。自治体の役所などで確認することができます。建ぺい率や容積率などが建築当初から変わっていることもあり、建て替えると現状より規模が縮小されてしまうケースもありえます。また、敷地に接する道路の幅が4m未満であれば敷地のセットバックが必要になり、やはり建て替えれば規模縮小につながりかねません。住まいの広さを確保したい場合、フルリフォームなら現状の面積を減らさず住み続けることが可能になります。

迷いを受け止めベストな提案をくれる依頼先を

 既存の家の解消したい不満はどんな点で、どんな暮らしを望んでいるのか。この先のライフプランはどうか。住む人の状況や思いを理解し、適切な提案をしてくれる依頼先をパートナー選びはとても大切です。そして、フルリフォームなら定額制のパッケージプランには検討の価値があります。コストが明瞭なので、安心して進めることができるのが特徴。例えばポラス『再新の家』は、坪単価21.7万円(税込)からの定価制で、家の広さからおおよその費用を導き出せます。各種リフォームローンが用意されており、国の補助金にも対応。内外装の刷新や設備の交換、耐震診断と補強工事、防蟻処理を標準でカバーし、追加オプションで間取り変更や増築も可能に。インテリアコーディネーターによるトータルな提案で、統一感のある洗練された室内インテリアも実現できます。

 今、ポラスではフルリフォームをされるお客様への割り引きキャンペーンを実施中です。これは体感すまいフェア・リフォームキャンペーンの第二弾で、期間は2021年6月20日までとなっています。

 ベストな依頼先と出会うことが、フルリフォームか建て替えか、迷いから脱して前へと進む大きなきっかけになることでしょう。