Vol.91
更新日:2022.11.08
家事の負担をラクにする
キッチンリフォームのヒント
水回りリフォーム
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作業の場であり、コミュニケーションの場としてのキッチン
かつてキッチンは、食事の支度をする場所。そこから配膳されるダイニングや食後の団らんを楽しむリビングが、住まいの中で家族の主な居場所となっていました。しかし、近年は共働きの家庭が増えたこともあり、家族のだれもが食事やお茶の用意、後片付けに関わり、家族が会話を交わすコミュニケーションの場として機能するようになってきています。
作業の場からコミュニケーションの場へ。時代や役割、機能がシフトしていくにつれて、求められるキッチンの姿、仕様も変わってくるようになりました。以前は作業の場を隠すために独立性の高いキッチンが主流でしたが、対面式、アイランド式と徐々にオープンなキッチンが人気となってきています。
今の使い方に合わせたキッチンにリフォームすることで、毎日の暮らしはもっと快適に、家事や育児もスムーズにこなせるようになっていくはず。そんなキッチンに変えるためのポイントをご紹介します。
作業の場からコミュニケーションの場へ。時代や役割、機能がシフトしていくにつれて、求められるキッチンの姿、仕様も変わってくるようになりました。以前は作業の場を隠すために独立性の高いキッチンが主流でしたが、対面式、アイランド式と徐々にオープンなキッチンが人気となってきています。
今の使い方に合わせたキッチンにリフォームすることで、毎日の暮らしはもっと快適に、家事や育児もスムーズにこなせるようになっていくはず。そんなキッチンに変えるためのポイントをご紹介します。
キッチンを中心に家事をこなせる動線に
10年以上前の間取りでよく見られるのが、ダイニングの奥に位置していて、行き止まりとなっているキッチン。食後に洗濯や掃除をしようとすると、いちいちダイニングやリビングを通って、廊下や洗面室に出ないといけませんでした。さらに1階の洗面脱衣室に置いた洗濯機を回したあと、洗濯物を抱えて2階の物干し場へ。このような間取りではあまりにも家事動線が長すぎ、負担が大きくなってしまいます。
基本的にキッチンにこもって料理に集中したい、ということなら別ですが、日々の生活を考えれば、キッチンを起点に、玄関、洗面室、浴室、トイレ、物干し場などを行き来していることが多いと思います。キッチンをリフォームするのであれば、ふだんの生活の動き方に合わせて、キッチンの位置や向きを変えると家事効率は格段に向上します。
たとえばダイニングの奥ではなく、むしろ中心にアイランド式のキッチンを配して、ダイニングと一体化してしまえば、配膳や後片付けが楽になるだけでなく、そこから玄関や洗面室、浴室などへの経路も短くすることが可能に。洗面所とキッチンを一直線につなげるように変えるだけでも、料理と洗濯を同時にこなしやすくなります。複数の家族がキッチン内に入りやすくなるので、手分けして作業しやすくなるというメリットも。
また、キッチンは行き止まりではなく、他の水まわりなどに通り抜けられるような回遊動線に組み込むことができれば理想的。いちいち回り込む必要がないため、家事動線は短くなり、効率的に動けるようになります。
キッチンの場所を動かす場合には、家の柱や梁などの構造に問題がないようにする必要がありますし、配管の位置を変えることにもなるのでリフォームの設計担当者とよく相談することをお勧めします。
基本的にキッチンにこもって料理に集中したい、ということなら別ですが、日々の生活を考えれば、キッチンを起点に、玄関、洗面室、浴室、トイレ、物干し場などを行き来していることが多いと思います。キッチンをリフォームするのであれば、ふだんの生活の動き方に合わせて、キッチンの位置や向きを変えると家事効率は格段に向上します。
たとえばダイニングの奥ではなく、むしろ中心にアイランド式のキッチンを配して、ダイニングと一体化してしまえば、配膳や後片付けが楽になるだけでなく、そこから玄関や洗面室、浴室などへの経路も短くすることが可能に。洗面所とキッチンを一直線につなげるように変えるだけでも、料理と洗濯を同時にこなしやすくなります。複数の家族がキッチン内に入りやすくなるので、手分けして作業しやすくなるというメリットも。
また、キッチンは行き止まりではなく、他の水まわりなどに通り抜けられるような回遊動線に組み込むことができれば理想的。いちいち回り込む必要がないため、家事動線は短くなり、効率的に動けるようになります。
キッチンの場所を動かす場合には、家の柱や梁などの構造に問題がないようにする必要がありますし、配管の位置を変えることにもなるのでリフォームの設計担当者とよく相談することをお勧めします。
収納計画を見直していつもすっきりと
日本人の食生活はこの10年でも大きく変わりました。共働き&核家族化が進むことで、食料の保存量が増え、レトルト食品などの調理済み食材も一般化。調理時間を短縮するキッチン家電なども使用頻度が増えてきています。
現在のキッチン内を見直して、冷蔵庫、電子レンジ、コンロ、シンクなどよく使うものの配置を考えてみるといいでしょう。それに合わせて、キッチン家電、調味料、食器、食材を保管する収納計画も再構成すると、使い勝手のいいキッチンになります。
収納の基本は「モノは使う場所の近くにしまうこと」。そうすることでモノを取りに行く手間を省くことができ、使用後にしまいやすくなります。しまうモノが想定できれば、収納するキャビネットや引き出しなども、出し入れのしやすい高さや大きさを考えて設置することができるようになります。
とくに最近のキッチンリフォームで人気なのが、パントリーの設置。キッチン横の空間を活用して、保存用の食材や調理用具などをまとめて収納しておけるようにします。しまって隠しておける場所があると、オープンなキッチンでもダイニングからはすっきりとしているように見せられますし、食材の定位置が明確になっていると家族のだれでも食事の支度ができるようになります。
現在のキッチン内を見直して、冷蔵庫、電子レンジ、コンロ、シンクなどよく使うものの配置を考えてみるといいでしょう。それに合わせて、キッチン家電、調味料、食器、食材を保管する収納計画も再構成すると、使い勝手のいいキッチンになります。
収納の基本は「モノは使う場所の近くにしまうこと」。そうすることでモノを取りに行く手間を省くことができ、使用後にしまいやすくなります。しまうモノが想定できれば、収納するキャビネットや引き出しなども、出し入れのしやすい高さや大きさを考えて設置することができるようになります。
とくに最近のキッチンリフォームで人気なのが、パントリーの設置。キッチン横の空間を活用して、保存用の食材や調理用具などをまとめて収納しておけるようにします。しまって隠しておける場所があると、オープンなキッチンでもダイニングからはすっきりとしているように見せられますし、食材の定位置が明確になっていると家族のだれでも食事の支度ができるようになります。
最新の設備でキッチンのお手入れもラクラク
キッチンで気持ちよくお料理するためには、コンロ、シンク、キッチン家電などの設備機器もふだんの食生活に合わせたものを選んでおきたいもの。最新の設備機器は、とくにお手入れ面の負担を軽減する工夫や機能があり、キッチンでの作業がぐっと楽になります。
たとえば食器洗浄機。ビルトインタイプであればスペースを空ける必要もなく、導入することができます。最近は洗い上がりも早く、手洗いより節水になる機種も増えてきました。食器を洗う時間を別の家事や団らんのひとときにあてることができるようになります。
また最新のシステムキッチンでは、シンクの底に傾斜や溝をつけて汚れや食材の切れ端が水流に乗って排水口へ流れやすくなっているものや、水切りかごをかけやすくなっているものなどがあります。コロナ禍に入ってからは、手を触れることなく水を出せるセンサー式水栓も、衛生的で人気を呼んでいます。
せっかくキッチンをリフォームするのであれば、ただ新しいキッチンに交換するだけでなく、目的をはっきりと持って、動線や収納、設備機器にポイントを絞ってプランニングにのぞめると、その後の生活がより快適なものになります。家事を楽に、家族との時間を大切にできるようなキッチンにぜひリフォームしてください。
【著者プロフィール】
渡辺圭彦 / 住宅ジャーナリスト
1970年生まれ。上智大学文学部新聞学科卒業後、扶桑社「新しい住まいの設計」編集部に勤務。その後、(株)ハウジングエージェンシーを経て、2004年よりフリーに。全国の住宅、工務店、建築家を取材して回るエディター&ライターとして活動中。著書に「住まいの進路相談室」(扶桑社)など。
たとえば食器洗浄機。ビルトインタイプであればスペースを空ける必要もなく、導入することができます。最近は洗い上がりも早く、手洗いより節水になる機種も増えてきました。食器を洗う時間を別の家事や団らんのひとときにあてることができるようになります。
また最新のシステムキッチンでは、シンクの底に傾斜や溝をつけて汚れや食材の切れ端が水流に乗って排水口へ流れやすくなっているものや、水切りかごをかけやすくなっているものなどがあります。コロナ禍に入ってからは、手を触れることなく水を出せるセンサー式水栓も、衛生的で人気を呼んでいます。
せっかくキッチンをリフォームするのであれば、ただ新しいキッチンに交換するだけでなく、目的をはっきりと持って、動線や収納、設備機器にポイントを絞ってプランニングにのぞめると、その後の生活がより快適なものになります。家事を楽に、家族との時間を大切にできるようなキッチンにぜひリフォームしてください。
【著者プロフィール】
渡辺圭彦 / 住宅ジャーナリスト
1970年生まれ。上智大学文学部新聞学科卒業後、扶桑社「新しい住まいの設計」編集部に勤務。その後、(株)ハウジングエージェンシーを経て、2004年よりフリーに。全国の住宅、工務店、建築家を取材して回るエディター&ライターとして活動中。著書に「住まいの進路相談室」(扶桑社)など。