Vol.45

更新日:2018.03.16

リフォームで手に入れる「家事ラク」な暮らし

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リフォームで手に入れる「家事ラク」な暮らし

 家事のほとんどが、毎日、あるいは数日おきに繰り返されるルーティンワーク。それだけに、動線(家事などに発生する移動経路)の悪さや、収納不足など、家事がすんなりできない環境だとストレスが蓄積しますし、時間も労力もかかって非効率的です。ずっと同じ家で暮らしていて「そんなものかな」と諦めてしまっているような不便さも、リフォームですっきり解決できる場合があります。水廻りの設備を更新するだけでも掃除はぐっとラクになると思いますが、せっかくですから、もっと踏み込んで家事がラクになるリフォームを検討したいものです。

キッチン廻りに流れるような動線をつくる

 家事の中でも特に携わる時間が長いのが炊事。その舞台である「キッチン」に注目して、負担が減るような間取りの改善例を、ピックアップしていきましょう。

 1つ目の実例の場合、元々はキッチンの隣に、洗濯機やスロップシンク(掃除用具等を洗うための流し)のある家事室が別室として隣接していました。リフォームではこのふたつの場所をつなげ、あまり使われていなかったスロップシンクを撤去。L字型でたっぷり入る収納棚を新たにつくり、収納力をアップしました。廊下からキッチンへの出入り口は、ドアから引き戸に変更して開け閉めをラクに。これで玄関へのゴミ出しもスムーズになります。また、キッチンからリビング・ダイニングへの出入り口にあった引き戸をなくして一室化することで、サッと行き来できるようにしました。

食べる場所に直結するアイランドキッチンに

 2つ目の実例は老後を見据えたフルリフォームで、さらにキッチンを大きく変更したケース。前の間取りでは奥まった場所にキッチンがあり、家族がいる場所と距離が離れていましたが、リフォームでダイニングにアイランドキッチンを据え、食べる場所とつくる場所を一体化しました。これなら配膳も片付けも移動距離が短くてラク。カウンター越しに受け渡しもできます。

 キッチンのあった場所には浴室を移設するとともに、広い洗面・脱衣室も設けました。キッチンから洗面室を経て玄関へと抜けられる便利な動線は元々あったもの。その利点はリフォームを経ても保たれています。必要な場所に足りていなかった収納が増設されたこともポイント。ダイニング側には食品庫、廊下側には壁面収納をつくり、便利さと収納量をアップさせています。

玄関近くのキッチンで買い物やゴミ出しがラクに

 3つ目の実例も、キッチンの位置を大きく変更しています。以前はダイニング・キッチンが個室化されており、家族で伸び伸びくつろげる広い部屋がありませんでした。そこで、洋室と和室の2室を合わせてLDKに。できるだけ広くするために廊下だったスペースまで取り込んでいます。対面型の新しいキッチンは、玄関に近い配置にしました。玄関とキッチンが近いことは、来客にキッチン内が見えてしまうといったマイナス点もありますが、それよりも重い買い物袋を運び込むのがラクで、食材をすぐに冷蔵庫に入れられる、ゴミ出しもラク、といったメリットの方が大きいとも考えられます。

生活の質を高める家事ラクリフォームのすすめ

 このように、やり方によってはリフォームで家事の負担を軽くしてくれる家に変えることが可能です。動線を動きやすく改善したり、必要な場所に適切な収納を設けたり、家事を行う場所を一カ所に集めたりする間取りの工夫がカギになります。実際に進める際には、今感じている不満や不都合を具体的に書き出し、リフォームのプロに伝えてみましょう。プロの経験と知恵から、思わぬ解決策を提案してもらえるかもしれません。今回紹介したもの以外にも様々な家族のリフォーム実例がございます。あなたの家にも応用できるようなヒントを探してみてください。

(コラム執筆)住宅&インテリアマガジン『LiVES』ライター 松川絵里