Vol.133NEW
更新日:2025.09.10
ヒートショック対策に効果的なリフォームとは?
費用相場や補助金制度についても紹介
リフォーム基礎知識
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目次
ヒートショック対策に効果的なリフォームとは?費用相場や補助金制度についても紹介

ヒートショック対策にどのようなリフォームが効果的か、悩んでいる方もいるのではないでしょうか。ヒートショックは冬場に多発しやすく、場合によっては命にかかわる恐れもあるため、早めの対策が欠かせません。なかでも優先的な対策が必要なのは、リスクが高い浴室や脱衣所です。
この記事では、ヒートショックの原因や予防方法、効果的なリフォームの具体例などを解説します。リフォームの費用相場や利用できる補助金制度も紹介しているので、費用面が気になる方もぜひ参考にしてください。
この記事では、ヒートショックの原因や予防方法、効果的なリフォームの具体例などを解説します。リフォームの費用相場や利用できる補助金制度も紹介しているので、費用面が気になる方もぜひ参考にしてください。
ヒートショックとは

ヒートショックとは、急激な温度変化によって起こる健康被害のことです。
ここでは、ヒートショックの原因と具体的な症状、リスクが高まる要因について解説します。
ヒートショックの原因は、こうした温度変化によって血圧が急変動することです。特に、冬場の入浴時における急激な温度変化が危険視されています。
東京都健康長寿医療センターの調査によると、2011年の1年間にヒートショックが関連して入浴中に心肺停止となった人は、推計で約1万7,000人に達しました。この結果からも、入浴時の安全対策の重要性がわかります。
参考:東京都健康長寿医療センター研究所「冬場の住居内の温度管理と健康について」
また、胸や背中に痛みを感じる場合は心筋梗塞の代表的な兆候とされているため、特に注意が必要です。
●65歳以上
●喫煙習慣
●肥満気味
●高血圧や糖尿病、不整脈などの持病
そのほか、脱衣所の寒さやお風呂の温度の高さ、飲酒後の入浴もリスクを高める要因となります。
ここでは、ヒートショックの原因と具体的な症状、リスクが高まる要因について解説します。
ヒートショックが起こる原因
暖かい場所から寒い場所へ行くと血管が収縮して血圧が上昇し、反対に寒い場所から暖かい場所へ行くと血管が膨張して血圧が下降します。ヒートショックの原因は、こうした温度変化によって血圧が急変動することです。特に、冬場の入浴時における急激な温度変化が危険視されています。
東京都健康長寿医療センターの調査によると、2011年の1年間にヒートショックが関連して入浴中に心肺停止となった人は、推計で約1万7,000人に達しました。この結果からも、入浴時の安全対策の重要性がわかります。
参考:東京都健康長寿医療センター研究所「冬場の住居内の温度管理と健康について」
ヒートショックの症状
ヒートショックのおもな症状として、軽度の場合はめまいや頭痛などが挙げられます。重症になると失神や嘔吐などの症状が現れ、さらに脳卒中や心筋梗塞に発展する恐れもあります。また、胸や背中に痛みを感じる場合は心筋梗塞の代表的な兆候とされているため、特に注意が必要です。
ヒートショックのリスクが高まる要因
ヒートショックのリスクが高まるおもな要因は、以下のとおりです。●65歳以上
●喫煙習慣
●肥満気味
●高血圧や糖尿病、不整脈などの持病
そのほか、脱衣所の寒さやお風呂の温度の高さ、飲酒後の入浴もリスクを高める要因となります。
ヒートショックが起こりやすい場所

ヒートショックを防ぐためには、発生しやすい場所から対策を講じることが重要です。これらの場所に共通するのは、移動時に温度差が生じやすい点です。
ここでは、ヒートショックが起こりやすい代表的な3つの場所を紹介します。
万が一、浴槽内でヒートショックを起こすと、溺死につながる恐れもあります。古い木造住宅で冬場も窓を開けて換気している場合は、特に注意が必要です。
暖かいリビングから寒い脱衣所へ移動して服を脱ぐと、急激な温度変化が生じ、ヒートショックを引き起こす恐れがあります。
また、便座の冷たさや排便時の力みもヒートショックの要因となるため、冬場は便座を温めるなど、温度差をやわらげる工夫をしておくと安心でしょう。
ここでは、ヒートショックが起こりやすい代表的な3つの場所を紹介します。
浴室
先述のとおり、冬場の浴室はお湯との温度差が大きく、ヒートショックのリスクが非常に高い場所です。万が一、浴槽内でヒートショックを起こすと、溺死につながる恐れもあります。古い木造住宅で冬場も窓を開けて換気している場合は、特に注意が必要です。
脱衣所
脱衣所も、空調設備がないことが多く、冷え込みやすい場所です。暖かいリビングから寒い脱衣所へ移動して服を脱ぐと、急激な温度変化が生じ、ヒートショックを引き起こす恐れがあります。
トイレ
昼間でも日が当たりにくい北側に設置されたトイレは、冷えやすいため注意が必要です。加えて、冬場の深夜や朝方の冷え込みやすい時間帯にトイレを使用すると、寝室やリビングとの温度差でヒートショックが起こりやすくなります。また、便座の冷たさや排便時の力みもヒートショックの要因となるため、冬場は便座を温めるなど、温度差をやわらげる工夫をしておくと安心でしょう。
ヒートショックを予防する方法
ヒートショックのリスクは、少しの工夫で抑えることができます。ここでは、ヒートショックを予防する方法を3つ紹介します。
ただし、古い住宅や断熱性が低い住宅の場合は、構造自体が原因となる場合があります。そのような場合は、断熱リフォームを検討しましょう。
特に、42度以上のお湯へ浸かると、交感神経が強く刺激されて血管が収縮し、急激に血圧が上昇する恐れがあります。安全のため、湯温は41度以下を目安に設定することが大切です。
また、38度~40度程度のぬるめのお湯に浸かることで副交感神経が優位になり、リラックス効果が期待できます。血圧が下がるだけでなく、筋肉の緊張がやわらいで血行が促進されるでしょう。
また、入浴前後には水分摂取を心がけることが大切です。水分を摂ることで血液の濃度が保たれ、血栓ができにくくなります。カフェイン入りの飲み物は利尿作用があるため避けて、スポーツドリンクや水などを摂取すると安心です。
さらに、入浴中に浴槽から急に立ち上がるとめまいなどを起こしやすいため、ゆっくりと立ち上がるようにしましょう。高齢者や持病のある方が入浴する際は、同居者がいれば一声かけておくとより安心です。
室内の温度差を小さくする
住宅全体の温度差を減らせば、ヒートショックのリスクを抑えることができます。特に脱衣所やトイレなど冷えやすい場所には、暖房器具を設置して暖めるのが効果的です。ただし、古い住宅や断熱性が低い住宅の場合は、構造自体が原因となる場合があります。そのような場合は、断熱リフォームを検討しましょう。
お風呂の温度を下げる
お風呂の湯温が高いほど、入浴前との温度差が大きくなり、ヒートショックのリスクが高まります。そのため、高い湯温での入浴は控えましょう。特に、42度以上のお湯へ浸かると、交感神経が強く刺激されて血管が収縮し、急激に血圧が上昇する恐れがあります。安全のため、湯温は41度以下を目安に設定することが大切です。
また、38度~40度程度のぬるめのお湯に浸かることで副交感神経が優位になり、リラックス効果が期待できます。血圧が下がるだけでなく、筋肉の緊張がやわらいで血行が促進されるでしょう。
入浴習慣を見直す
食事や飲酒の直後は血行が活発になり、血圧が変動しやすいため、入浴によるヒートショックのリスクが高まります。医薬品を服用したあとも同様にリスクが上がるので、時間をあけてから入浴するようにしましょう。また、入浴前後には水分摂取を心がけることが大切です。水分を摂ることで血液の濃度が保たれ、血栓ができにくくなります。カフェイン入りの飲み物は利尿作用があるため避けて、スポーツドリンクや水などを摂取すると安心です。
さらに、入浴中に浴槽から急に立ち上がるとめまいなどを起こしやすいため、ゆっくりと立ち上がるようにしましょう。高齢者や持病のある方が入浴する際は、同居者がいれば一声かけておくとより安心です。
ヒートショック対策に効果的なリフォーム例
ヒートショックを防ぐには、リフォームで住宅の構造から見直す方法が有効です。
ここでは、ヒートショック対策に効果的なリフォームの具体例を紹介します。
ユニットバスは壁や床、天井が一体化した構造で、外壁との間に空気層ができるため断熱効果が高く、冬場でも冷えにくくなります。
また、古いユニットバスは断熱性が不十分なことがあるので、高断熱の製品に交換すると、ヒートショックのリスクをより低く抑えられます。
住宅全体に断熱リフォームを施すのが難しい場合は、浴室やトイレなど冷えやすい場所だけを部分的に施工するのもおすすめです。
窓から熱が逃げる問題に対処したい場合は、内窓を設置するのが効果的です。既存の窓との間に空気層が生まれ、室内の熱を逃がしにくくなります。
なお、構造上内窓を取り付けられない場合は、窓自体を断熱性の高い製品に交換する方法もあります。
参考:【Q&A】開口部からの熱の出入りは、どの位あるのですか?│一般社団法人日本建材・住宅設備産業協会
また、居室からトイレや脱衣所が離れている場合は、廊下にも床暖房を導入すると、移動時の温度差をやわらげることができます。
ユニットバスへの交換を検討している場合は、同時に導入すると効率的です。
ここでは、ヒートショック対策に効果的なリフォームの具体例を紹介します。
ユニットバスへの交換
壁や床をタイル貼りにした在来工法の浴室は冷えやすいため、ヒートショック対策としてユニットバスへの交換が効果的です。ユニットバスは壁や床、天井が一体化した構造で、外壁との間に空気層ができるため断熱効果が高く、冬場でも冷えにくくなります。
また、古いユニットバスは断熱性が不十分なことがあるので、高断熱の製品に交換すると、ヒートショックのリスクをより低く抑えられます。
断熱材の追加
住宅の壁や天井、床下などに断熱材を追加すると全体の断熱性が向上し、部屋ごとの温度差が小さくなります。その結果、ヒートショックが起こりにくくなるでしょう。住宅全体に断熱リフォームを施すのが難しい場合は、浴室やトイレなど冷えやすい場所だけを部分的に施工するのもおすすめです。
内窓の設置
窓は、住宅のなかでも特に熱が逃げやすい場所です。一般社団法人日本建材・住宅設備産業協会によれば、冬場は窓などの開口部から室内の熱が約58%も流出するとされています。窓から熱が逃げる問題に対処したい場合は、内窓を設置するのが効果的です。既存の窓との間に空気層が生まれ、室内の熱を逃がしにくくなります。
なお、構造上内窓を取り付けられない場合は、窓自体を断熱性の高い製品に交換する方法もあります。
参考:【Q&A】開口部からの熱の出入りは、どの位あるのですか?│一般社団法人日本建材・住宅設備産業協会
床暖房の設置
床暖房は足元から室内を暖める設備で、床の冷たさを解消したい場合に効果的です。特にキッチンなどの足元が冷えやすい場所に施工することで、ヒートショックを防ぎやすくなります。また、居室からトイレや脱衣所が離れている場合は、廊下にも床暖房を導入すると、移動時の温度差をやわらげることができます。
浴室暖房乾燥機の設置
浴室暖房乾燥機は、浴室の天井や壁に設置することで、浴室や脱衣所を暖められる設備です。入浴前に運転しておくことで、温度差によるヒートショックを防ぎやすくなります。ユニットバスへの交換を検討している場合は、同時に導入すると効率的です。
ヒートショック対策のリフォーム費用相場
上で紹介したリフォームの費用相場は以下のとおりです。
■ユニットバスへの交換 80万~150万円
■断熱材の追加 80万~300万円
■内窓の設置 4万~10万円(1か所当たり)
■床暖房の設置 30万~100万円
■浴室暖房乾燥機の設置 10万~30万円
これらの金額はあくまでも目安であり、業者や施工内容によって変動します。特に、断熱材の追加や床暖房の設置は、施工範囲が広いと相場を大きく超える場合もあります。
ヒートショック対策のリフォームを検討する際は、複数の業者に見積もりを依頼して、予算内に収まるかどうかを十分に確認することが重要です。
■ユニットバスへの交換 80万~150万円
■断熱材の追加 80万~300万円
■内窓の設置 4万~10万円(1か所当たり)
■床暖房の設置 30万~100万円
■浴室暖房乾燥機の設置 10万~30万円
これらの金額はあくまでも目安であり、業者や施工内容によって変動します。特に、断熱材の追加や床暖房の設置は、施工範囲が広いと相場を大きく超える場合もあります。
ヒートショック対策のリフォームを検討する際は、複数の業者に見積もりを依頼して、予算内に収まるかどうかを十分に確認することが重要です。
ヒートショック対策のリフォームで活用できる補助金制度

リフォームを行なう際は、国や自治体の補助金制度を利用することで、費用の負担を軽減できます。
ここでは、ヒートショック対策で活用できる補助金制度を紹介します。
「開口部の断熱改修」「躯体の断熱改修」「エコ住宅設備の設置」のうち、2つ以上のカテゴリの工事を行なうことが必須要件です。
2つのカテゴリのリフォームを実施した場合は最大40万円/戸、3つすべてを実施すると最大60万円/戸の補助を受けられます。
参考:子育てグリーン住宅支援事業【公式】
開口部のリフォームは断熱効果が高く、ほかの制度と比較して補助額も大きいため、積極的に利用したい制度です。
参考:先進的窓リノベ2025事業【公式】
例えば、さいたま市「省エネ・断熱住宅普及促進補助金」では、部分的な断熱改修に最大10万円、住宅全体の断熱改修に最大20万円の補助を受けられます。
※2025年度は申請受付終了(2025年8月時点)
リフォームを検討する際は、お住まいの地域で実施されている補助金制度を調べてみましょう。
参考:【申請受付終了】令和7年度 省エネ・断熱住宅普及促進補助金│さいたま市
ここでは、ヒートショック対策で活用できる補助金制度を紹介します。
子育てグリーン住宅支援事業
「子育てグリーン住宅支援事業」は、既存住宅の省エネリフォームを行なう際に利用できる補助金制度です。名称に「子育て」とありますが、すべての世帯が対象となります。「開口部の断熱改修」「躯体の断熱改修」「エコ住宅設備の設置」のうち、2つ以上のカテゴリの工事を行なうことが必須要件です。
2つのカテゴリのリフォームを実施した場合は最大40万円/戸、3つすべてを実施すると最大60万円/戸の補助を受けられます。
参考:子育てグリーン住宅支援事業【公式】
先進的窓リノベ事業
「先進的窓リノベ事業」は、戸建て住宅や集合住宅の所有者が、ドアや窓の断熱リフォームを行なう際に利用できる補助金制度です。申請すれば、上限200万円/戸までの補助を受けられます。開口部のリフォームは断熱効果が高く、ほかの制度と比較して補助額も大きいため、積極的に利用したい制度です。
参考:先進的窓リノベ2025事業【公式】
地方自治体の補助金制度
ヒートショック対策に役立つ省エネ・断熱リフォームでは、地方自治体が独自に設けている補助金制度を利用できる場合もあります。例えば、さいたま市「省エネ・断熱住宅普及促進補助金」では、部分的な断熱改修に最大10万円、住宅全体の断熱改修に最大20万円の補助を受けられます。
※2025年度は申請受付終了(2025年8月時点)
リフォームを検討する際は、お住まいの地域で実施されている補助金制度を調べてみましょう。
参考:【申請受付終了】令和7年度 省エネ・断熱住宅普及促進補助金│さいたま市
ヒートショック対策にもなるリフォーム事例
ここでは、ユニットバスへの交換と、住宅全体の断熱リフォームの事例を紹介します。
さらに、断熱浴槽の導入や壁の断熱、内窓の設置なども実施しており、ヒートショック対策としても高い効果が期待できます。
清潔感のあるあったかお風呂│ポラスグループのリフォーム
また、浴室には清潔感のあるユニットバスを導入し、ヒートショックを防ぎながら快適に暮らせる住まいを実現しています。
住み慣れた自宅で暮らすための快適リフォーム│ポラスグループのリフォーム
在来工法からあったか最新ユニットバスへ
こちらは築50年の木造軸組み工法の住宅に、最新のユニットバスを導入した事例です。経年による古さが目立っていた浴室が、木目調パネルを取り入れた清潔感のある空間へと生まれ変わりました。さらに、断熱浴槽の導入や壁の断熱、内窓の設置なども実施しており、ヒートショック対策としても高い効果が期待できます。
清潔感のあるあったかお風呂│ポラスグループのリフォーム
冬は底冷えする部屋を断熱リフォームで快適に
こちらは築30年のRC造住宅に、全体的な断熱リフォームを施した事例です。息が白くなるほど寒かった部屋に対し、外壁や天井へ断熱材を追加し、さらに内窓を設置することで断熱性を高めました。また、浴室には清潔感のあるユニットバスを導入し、ヒートショックを防ぎながら快適に暮らせる住まいを実現しています。
住み慣れた自宅で暮らすための快適リフォーム│ポラスグループのリフォーム
まとめ
冬場は、部屋ごとの温度差が大きくなり、ヒートショックのリスクが高まります。特に、冷え込みやすい浴室や脱衣所、トイレには注意が必要です。日常的にできる工夫に加えて、断熱リフォームなどの対策を取り入れることで、安全かつ快適な住まいを実現しましょう。
ポラスグループのリフォームは、施工からアフターサービスまで自社で一貫して行ない、施工品質にこだわっています。目的や住まいに応じたリフォームメニューを多数用意しており、ヒートショック対策についても安心してご相談いただけます。
ポラスグループのリフォームは、施工からアフターサービスまで自社で一貫して行ない、施工品質にこだわっています。目的や住まいに応じたリフォームメニューを多数用意しており、ヒートショック対策についても安心してご相談いただけます。