Vol.138

更新日:2026.02.13

太陽光発電や蓄電池は後付け可能!停電対策で災害時も安心「蓄電池&屋根」リフォーム

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太陽光発電や蓄電池は後付け可能!停電対策で災害時も安心「蓄電池&屋根」リフォーム

大規模な地震や台風などの自然災害が発生すると、家屋への被害だけでなく、長時間の停電など日常生活への影響は避けられません。被害をできるだけ抑えるには、日頃から防災対策を行なっておくことが重要です。

特に停電リスクへの備えとして、近年注目されているのが太陽光発電と蓄電池を組み合わせた対策です。条件を満たせば既存の家屋でも後付けが可能なケースが多く、災害時でも生活に必要な電力を確保できる点が評価されています。

この記事では、災害に強い家の特徴を整理したうえで、耐震化のために検討したい屋根の軽量化リフォーム、太陽光発電や蓄電池を後付けするメリットについて解説します。

日本は自然災害の多い国

2026年は2011年3月11日に発生した東日本大震災から15年の節目にあたり、災害への備えを見直す機運があらためて高まっています。

そもそも日本は、諸外国に比べて地震や台風、豪雨などの自然災害が多い国です。気象庁によると、全世界で発生したマグニチュード6以上の地震のうち、じつに1割以上が日本で起きています。

また、国連防災機関の報告では、日本の自然災害による経済損失額は3,763億ドル(1998年~2017年)であり、世界3位となっています。

こうした背景から、日々の暮らしを守るためには、自然災害に強い家づくりが不可欠といえるでしょう。加えて、災害は発生した瞬間だけで終わるものではないため、停電や断水といったライフラインの停止に備えた対策も重要です。

災害に強い家とは?

耐震補強や停電対策を解説する前に、まずは災害に強い家に共通する特徴を見ていきましょう。

シンプルな作りである(間取り)

 建物は形状や間取りが複雑になるほど、地震発生時に揺れの影響を受けやすくなります。特に建物に凹凸が多い場合や、1階に比べて2階の壁や重量が偏っている家では、強い揺れが生じた際に特定の箇所へ負荷が集中しやすく、損傷や倒壊のリスクが高まります。

1階に壁が少ない、窓の多い部屋があるなど家全体の壁量が偏っている場合は、リフォームで壁を追加して補強する対策が有効です。

また、複雑な形状の屋根や重量のある屋根材を使用している場合も、地震時の揺れや強風の影響を受けやすくなります。このケースでは、屋根の軽量化リフォームを行なうことで、被災リスクを軽減できます。

耐震性・耐火性が高い(構造・設備)

耐震性や耐火性に配慮された建物は、地震や火災といった災害リスクに対して高い安全性を発揮します。耐震性の基本となるのは、柱や壁がバランス良く配置され、建物全体で揺れや衝撃を受け止める構造になっていることです。

耐火性に関しては、鎮火するまでの間、建物を安全に保つ性能を有しているかがポイントです。木造住宅であっても、一定の基準を満たした工法や建材を採用することで、火災に強い住まいを実現できます。さらに、強化複層ガラスや防災性能の高い窓を採用すると、地震や台風時の飛来物によるガラスの破損を防ぎやすくなり、被害の拡大やケガのリスクの軽減が可能です。

災害の影響を受けにくい場所にある(立地)

災害に強い家を考えるうえでは、建物そのものだけでなく、建っている場所に目を向けることも重要です。例えば、地震時の揺れの大きさは地盤の状態によっても左右されるため、地盤が比較的安定しているエリアほど被害を受けにくい傾向にあります。

また、川の近くでは豪雨による浸水や氾濫、山のふもとでは土砂崩れなど、立地特有の災害リスクが高まります。こうした地域に住んでいる場合は、ハザードマップを確認したうえで浸水や土砂災害などの事態を想定し、より念入りな災害対策を講じておくことが大切です。

災害対策が行なわれている(備え)

災害に強い家を実現するには、災害発生後の生活を想定した備えをしておくことも大切です。自然災害そのものは防げませんが、事前の対策によって日常生活への影響を最小限に抑えられます。

特に重要となるのが、停電や断水といったライフラインの停止を前提とした備えです。非常時に利用できる電力や食料、飲用水などを備えておくことで、災害発生後も慌てずに対応しやすくなります。

また、既存の住宅でもリフォームによって災害に備えることが可能です。具体的には、以下2つの対策が挙げられます。

・地震の揺れに耐える軽い屋根構造にする
・電気を自給自足できるシステムを導入する

2つの対策については、次章以降で詳しく解説します。

地震対策とは?屋根の軽量化も有効

地震から建物やそこに住む人の命を守るためには、適切な耐震補強を講じることが重要です。ここでは、建物の耐震性を考えるうえで基本となる「耐震基準」と、基本的な地震対策を紹介します。

建物の耐震性の基本となる「耐震基準」

日本では1981年に建築基準法が改正され、「従来の耐震基準(旧耐震基準)」から「新耐震基準」へと移行しました。新耐震基準は大地震の発生を前提として設計されており、震度6強から震度7クラスの揺れに見舞われた場合でも建物が倒壊・崩壊する事態を防ぎ、居住者の命を守ることを目的としています。

さらに、2000年には再度建築基準法が改正され、おもに木造住宅の耐震性向上を目的として柱や耐力壁の配置、接合部の強化などがより細かく定められました。いわゆる「2000年基準」と呼ばれるこの改正により、木造住宅の耐震性は一段と向上しています。

耐震・免震・制震の導入

地震の揺れに備えた家づくりでは、「耐震構造」「免震構造」「制震構造」の導入が効果的です。それぞれの構造の基本的な仕組みは以下のとおりです。
 
耐震構造 壁に筋かいを入れる、柱や梁などの接合部を金具で補強するなど、建物そのものの強度を高めて地震の揺れに耐える仕組み
免震構造 建物と基礎の間に免震装置を設置し、地震の揺れが直接建物に伝わりにくくすることで、揺れそのものを軽減する仕組み
制震構造 建物内部にダンパーなど制震装置を設け、地震のエネルギーを吸収することで揺れを抑える仕組み

免震構造や制震構造は新築時に採用されることが多く、既存住宅であとから導入しようとすると大規模な工事や高額な費用が必要になるケースが一般的です。

一方で、建物の耐震性を高める補強は免震・制震と比較してコストを抑えられ、リフォームで対応しやすい方法といえます。現在の住まいの状態に応じて壁の補強や屋根の軽量化などを行なうことで、地震による被害を最小限に抑えられるでしょう。

屋根の軽量化

瓦やセメント瓦など重量のある屋根材は、デザイン性や耐久性に優れている一方で、地震の際には建物全体への負担が大きくなりやすい側面があります。屋根が重いほど建物の重心が高くなり、強い揺れが生じた際に揺れの影響を受けやすくなるためです。

また、地震や台風の影響で屋根瓦がずれたり、落下・飛散したりする被害も少なくありません。強風で飛ばされた屋根瓦が人に当たれば、重大なケガにつながる恐れもあります。

こうしたリスクを軽減する方法として有効なのが、屋根材の軽量化リフォームです。瓦やセメント瓦から金属系のガルバリウム鋼板など比較的軽量な屋根材へ変更すれば、屋根全体の重量を大きく抑えられます。屋根を軽くすると、地震時に建物へかかる負担が小さくなり、揺れによる損傷や倒壊リスクを軽減できます。

停電対策とは?太陽光発電システムのある住宅へ蓄電池の後付けも有効

大規模な地震が発生すると、長時間の停電につながる可能性もあります。実際、内閣府の発表によると、2016年の熊本地震では最大で約48万戸が停電の影響を受けました。停電になると家電製品が使えなくなるばかりか、スマートフォンの充電もできなくなり、非常時に連絡が付かない事態になりかねません。

こうした背景から、災害時の停電を想定した電力確保の方法として、太陽光発電や蓄電池の導入が注目されています。ここでは、それぞれの概要と導入するメリットを紹介します。

太陽光発電や蓄電池の概要

 太陽光発電とは、屋根などに設置した太陽光パネル(ソーラーパネル)で発電するシステムです。近年は、発電した電気をまず自宅で使い、使い切れなかった余剰分を電力会社へ売電する自家消費型の運用が広がっています。

ただし、太陽光発電だけでは電気を貯めておけないため、夜間や停電時に電力を使うには限界があります。そこで重要となるのが、蓄電池です。

蓄電池は、発電した電気や電力会社からの電気を蓄え、必要なときに利用できる設備です。家庭用ではおもにリチウムイオン電池が採用されており、運用方法によって次の2種類に分けられます。

・ハイブリッド蓄電池:太陽光発電と蓄電池を一体で制御し、発電・充電・放電を効率良く行なえるタイプ

・単機能蓄電池:蓄電池単体で設置し、太陽光発電の有無にかかわらず利用できるタイプ

どちらも後付けは可能ですが、設置場所の確保や、定期的なメンテナンスが必要となってくる点に注意しましょう。

太陽光発電と組み合わせて蓄電池を導入するメリット

太陽光発電と併せて蓄電池を導入することで、災害時や停電時に非常用電源として電気を使用できる環境を整えられます。平常時においても太陽光発電で作った電気を蓄電池に貯めて自家消費すれば、電力会社から購入する電力量を抑えられ、結果として電気代の削減につながる可能性もあります。

さらに、太陽光発電は再生可能エネルギーを活用する仕組みのため、化石燃料への依存を抑え、 環境負荷の低減に貢献できる点もメリットです。太陽光発電と蓄電池を同時に導入すると、業者によっては足場架設工事費や人件費をまとめられ、初期費用を抑えやすい利点もあります。

太陽光発電システムと蓄電池の組み合わせは卒FIT対策にもなる

     FIT(再生可能エネルギーの固定価格買取制度)は、太陽光発電などで作った電気を一定期間、国が決めた価格で電力会社が買い取る仕組みです。住宅用太陽光発電の場合、買取期間は原則10年です。

しかし、FITの適用期間が満了すると、買取価格は大きく下がります。その結果、発電した電気を売っても十分な収益を得られず、余った電気をどう活用するかが卒FIT後の大きな課題となります。

こうした背景から、太陽光発電と蓄電池を組み合わせた自家消費型の運用があらためて注目されるようになりました 。発電した電気を蓄電池に貯めて家庭内で使えば、電気代の負担軽減につながります。さらに災害時・停電時の電力確保という防災対策を兼ねることも可能です。そのため、近年では卒FITをきっかけに蓄電池の導入を選択する家庭は少なくありません。

蓄電池は後付けも可能!

すでに太陽光発電を導入している住宅では、蓄電池の後付けも可能です。後付けの方法には、大きく分けて次の2つがあります。

・単機能蓄電池の後付け
・ハイブリッド蓄電池


1つ目は、太陽光発電用の設備とは別に単機能蓄電池を後付けする方法です。既存の太陽光発電システムを大きく変更せずに導入できるため、初期費用を比較的抑えやすい点がメリットです。一方で、太陽光発電で作った電気を蓄電池用に、蓄電池で蓄えた電気を家庭用に変換する際に電力ロス(約15〜20%)が発生する点はデメリットといえます。

単機能蓄電池の導入は、太陽光発電用パワーコンディショナーがまだ新しい(設置から5年位内)場合に推奨されます。

2つ目は、既設の太陽光発電用パワーコンディショナーを撤去し、太陽光発電と蓄電池を一体で制御できるハイブリッド蓄電池を導入する方法です。既存のパワーコンディショナーが耐用年数に近づいている、または古い場合には、ハイブリッド蓄電池を導入することで設備をまとめて刷新できます。

ハイブリッド蓄電池は単機能蓄電池に比べて電力変換の回数が少ないため電力ロスを抑えやすく(約5~10%)、省スペースで設置しやすい点がメリットです。ただし、太陽光パネルのメーカーや型番との適合性を事前に確認する必要があります。

自然災害への対策は補助金も活用して同時施工を

太陽光発電や蓄電池の導入と屋根の軽量化リフォームは、同時施工が可能です。工事をまとめて行なうことにより、全体の工期を短縮でき、人件費などのコストも抑えられます。

さらに費用を抑えたいなら、以下で紹介する国や自治体による補助金・助成金制度の活用を検討するとよいでしょう。ただし、いずれも利用するには一定の要件を満たす必要があるため、事前に確認しておくことが重要です。

ここからは、令和7年度時点の情報をもとに、太陽光発電や蓄電池に関する補助金・助成金制度の一例を紹介します。

長期優良住宅化リフォーム推進事業

長期優良住宅化リフォーム推進事業は国が実施する補助金・助成金制度で、既存住宅の性能や防災性などの向上を目的としています。耐震性や省エネ性能、防災性などを高めるリフォーム工事が対象となっており、一定の要件を満たせば瓦の交換や蓄電池の設置時にも補助金を受け取れます。

補助率は対象工事費用の1/3、補助額は最大80万円/戸です。

参考:長期優良住宅化リフォーム推進事業|国土交通省

東京都の自治体における補助金・助成金制度

東京都内の自治体のなかには、住宅の耐震化を目的とする耐震診断や耐震改修工事などにかかる費用の一部を助成する制度を設けているところがあります。例えば、台東区では屋根の軽量化など耐震改修工事を行なう際、一定の要件を満たしていれば助成金を交付する制度を実施しています。

参考:耐震化助成制度|東京都耐震ポータルサイト

また、東京都では、蓄電池の導入に関しても補助金を交付しています。

参考:令和7年度 家庭における蓄電池導入促進事業|クール・ネット東京

屋根の軽量化リフォームと蓄電池の導入を同時に検討する際は、複数の補助制度を組み合わせて活用できるかを確認しておくとよいでしょう。

埼玉県の自治体における補助金・助成金制度

埼玉県でも、各市町村において住宅の耐震診断・改修工事に対する補助制度を実施しています。

参考:各市町村が実施する補助制度|埼玉県

また、県内の既存住宅を対象に、省エネ・再エネ設備の導入に対する補助も行なわれています。対象となる設備は、蓄電池やエネファーム(家庭用燃料電池)です。

参考:【令和7年度】家庭における省エネ・再エネ活用設備導入補助金|埼玉県

千葉県の自治体における補助金・助成金制度

千葉県の各市町村でも、住宅の耐震診断や耐震改修工事に加え、省エネ設備の導入などに対する補助制度を設けています。

なかには太陽光発電や蓄電池、V2H充放電設備など省エネ・再エネ設備の導入を支援する補助制度を設けている市町村もあります。

参考:再生可能エネルギー・省エネルギー設備の支援情報(住宅用)|千葉県

なお、ここでご紹介した内容は2026年1月時点での情報です。補助制度は年度ごとに内容や予算枠が見直されるため、申請を検討する際は国や自治体の公式サイトで最新情報を確認するとともに、お住まいの自治体窓口へ事前に問い合わせることをおすすめします。自治体独自の補助金・助成金制度が用意されている場合もあるため、併用の可否も含めて確認しておくとよいでしょう。

太陽光発電・蓄電池の後付けと屋根リフォームに関するよくある質問(FAQ)

最後に、太陽光発電や蓄電池の後付け、屋根のリフォームについて、よくある質問にお答えします。
 

Q.太陽光発電があれば、蓄電池がなくても停電時に電気が使えますか?

太陽光発電には自立運転機能(自立運転モード)が備わっており、停電時でも日中に発電している場合であれば電気を使うことは可能です。ただし、雨や曇り、夜間など十分な日照がない時間帯は発電できず、停電になったら電気を使えません。そのため、停電時に備えたい場合には、蓄電池との併用がおすすめです。

Q.重い瓦屋根から軽い屋根にリフォームすると、どのくらい耐震性が上がりますか?

一般的な目安として、瓦屋根の重量は約40〜60kg/㎡であるのに対し、金属屋根(ガルバリウム鋼板)は約5~6kg/㎡です。つまり、瓦屋根から金属屋根に軽量化リフォームを行なった場合、重量を1/7~1/12程度軽くできるケースがあります。

屋根を軽量化すると地震発生時に建物全体へかかる揺れの力や負担を抑えやすくなり、室内の家具の転倒リスクも軽減できるでしょう。また、屋根材の落下や飛散が起きた場合の被害を抑えやすくなる点もメリットです。

Q.太陽光発電の設置と屋根塗装を同時に行なうメリットは何ですか?

太陽光発電の設置と屋根塗装を同時に行なうと、全体の工事期間を短縮でき、人件費などを削減できます。また、工事をまとめて依頼することで、業者によっては足場架設工事費の重複が避けられる場合もあります。

まとめ

すでに太陽光発電システムが搭載されている家にも、蓄電池を後付けすることは可能です。太陽光発電に加えて蓄電池を導入すれば、昼間発電した電気を蓄えられるようになります。地震などで停電が起きた場合でも蓄えた電気を使えるので、より安心につながるでしょう。

また、地震に備えて家の耐震性を高めたいと考えているなら、屋根の軽量化リフォームを併せて検討することも一案です。

ポラスグループでは、太陽光発電や蓄電池の導入および屋根のリフォームも請け負っています。太陽光パネルに関しては、長年の新築住宅の設計で培ったノウハウをもとに構造計算や耐震診断を事前に行なうため、より安全に設置できます。また、太陽光発電と蓄電池の設置、屋根のリフォームを一手にご依頼いただくことで、コストを抑えることも可能です。

「耐震性を高めるために屋根を軽量化したい」「地震に備えて太陽光発電と蓄電池を導入したい」とお考えの方は、ポラスグループのリフォームをぜひご検討ください。

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