このコラムは、埼玉・千葉・東京を施工エリアとするポラスグループのリフォーム専門サイトによるものです。リフォームをお考えの方は、ぜひご検討ください。
Vol.33
「住まいのカルテ(家歴書)」で住宅の資産価値を向上させよう!
住まいの記録、きちんと残していますか?
あなたの住まいの記録はきちんと保存されていますか?新築時の図面を探したけれど見つからなかったり、過去の修繕記録や記憶もおぼつかなかったりはよく聞く話。でも、もし新築時の情報やこれまでの修繕履歴などが記録された「住まいのカルテ」のようなドキュメントがあればどうでしょう。次の修繕の目安になり、住まいを健やかに保つ計画的なリフォームに役立つはずです。
そこで今回は、最近その存在が注目されている「住まいのカルテ」ともいうべき家歴書をチェック。これまであまり取り組まれてこなかった家歴書の保存とリフォーム計画、資産価値を高めてくれる効果についても紹介していきます。
住まいのカルテとかかりつけ医を持とう
住まいのカルテとなる家歴書とは、新築時の設計・施工に関する図面や書類、竣工後の修繕の記録、将来のメンテナンス計画などが記され、随時更新されているドキュメントを指します。DIYによる補修などは、家歴書の書式をダウンロードできるサイトなどを利用して、住まい手自ら記録することも可能です。
しかし、カルテを時系列に沿って正確に作成することは、住まいのかかりつけ医のような存在がいなければなかなかできません。当然、飛び込み営業などで1回限りの付き合いに終わるような施工会社や塗装業者などには望めない作業です。
今後リフォームを検討している場合、新築時に家づくりを請け負った工務店や住宅メーカーがリフォームに対応していなければ、家歴書とメンテナンス計画の作成ノウハウをもつリフォーム会社に相談を。その際には、長い付き合いを前提に信頼関係を築ける相手を選びましょう。細かい修繕のほか、将来のフルリフォームなどでも力になってくれるプランニング力もポイントになります。
次のメンテナンスの適切なタイミングが分かる
リフォームするきっかけは住まいによってさまざまですが、外壁の劣化や雨漏りなど目に見える不具合が生じてから、場当たり的に修繕を行うケースは多いようです。家の修繕は箇所によって異なるとはいえ数年から十数年単位が一般的。雨どいや排水管の詰まりの解消など細かい箇所も含めて、いつどこを修繕し誰に依頼したのかさえ曖昧になってしまうことも。
しかし、家歴書があれば次の適切なメンテナンス時期と箇所が分かり、場当たり的な修繕リフォームに終止符を打つことができます。また、外壁リフォームなどの場合はサイディングや塗料といった外装材の種類も記録されるので、建材の特性に応じたメンテナンス期間を正確に把握することも可能。メンテナンス費用を貯める目安にもなり、劣化の進行でコストが膨らむといった事態も避けられます。
家歴書が住まいの評価を左右する時代がやってくる
メンテナンスの計画を立て、経年変化やライフスタイルの変化に合わせたおおよそのリフォーム時期を見通しておくことは、住まいを健全に保つためにとても大切です。
そして、もし自然災害に遭ってしまったら、加入している火災保険の確認を。保障内容によっては、台風や突然の大雪、豪雨などで住まいが損害を受けた場合に保険金が支払われます。
国も中古住宅市場の活性化を推進していて、しっかりと維持管理された住まいを評価する動きを見せています。その一例として、家歴書を含む不動産情報を集約して提供する不動産総合データベースの整備が進行中。2017年3月末までの試験運用を経て、近年中の本格運用が目指されています。
既存の住宅を適正に評価する環境が整いつつあるなか、リフォームや点検を記録した家歴書は、住み替えで家を売却する場合や子世代などへ引き継ぐ際にも欠かせない資産となりそうです。
長く快適に住み続けられる住まいのために
建物の修繕目的だけでなく、リフォームに家歴書を用いた資産価値の向上という視点を加えると、住み心地も満足度もアップするはず。長く快適に住み続けるための断熱リフォームや耐震リフォームを行い、その履歴を家歴書にしっかり記録するのもその一例。
もちろん、断熱リフォームや耐震リフォームは住まいの広範囲に手を入れるためイニシャルコストは高くなりますが、代わりに光熱費の削減や住まいの快適性、安全性を実現することが可能に。そして、家歴書の保存と併せることで、将来に渡る住まいの価値を確実に高めることができるのです。
(コラム執筆)住宅&インテリアマガジン『LiVES』ライター 畑野暁子