Vol.112

更新日:2023.12.14

キッチンリフォームは後悔しやすい?
10の事例と注意点を紹介

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キッチンのリフォームは後悔しやすい?

住宅リフォームによって修繕できるさまざまな場所のなかでも、キッチンはリフォームで後悔しやすい場所であることをご存じでしょうか。

キッチンリフォームを後悔しやすい理由は、主にに2つあります。
理由の1つは、キッチンは家庭によって使い方がさまざまで、最適なものはそれぞれ異なることです。
同時にキッチンに立つ人数や毎日の調理にかける時間、キッチン以外の部屋との位置関係など、状況に合わせてさまざまなスタイルのキッチンがあります。
ところが、使い方よりも見栄えを重視したキッチンにリフォームする方がいるのも事実です。見た目が良いキッチンが必ずしも自分にとって使い勝手が良いとは限らないため、後悔につながることがあります。

もう1つの理由は、キッチンの使用時間の長さゆえに、使い勝手の悪さが気になりやすいことです。
キッチンは、例えば、脱衣所やトイレなど、ほかの水まわり設備と比較しても、日常的に長い時間を過ごす場所です。そのため、ちょっとした使い勝手の悪さも毎日の積み重ねで気になりやすく、後悔につながることがあります。

しかし、キッチンリフォームは選択肢の幅が広く、トイレや洗面台などと比べても多種多様のスタイルから選択でき、オプションも豊富にそろっています。
事前によく検討すれば、後悔のないキッチンリフォームを叶えることは十分に可能です。
 

キッチンリフォームの種類

ひとくちに「キッチンリフォーム」といっても、リフォーム内容には幅があります。
ここでは、大まかに分類した3種類のキッチンリフォームを紹介します。

◆設備の部分的なリフォーム
キッチンリフォームというと大がかりなイメージを持つ方もいるかもしれませんが、一部の設備に限定したリフォームも行なえます。

例えば、コンロとシンクが独立しているセクショナルキッチンの場合、必要な部分だけを交換するリフォームも可能です。また、古くなった水栓設備を新しいものに交換したり、換気扇をレンジフードに変えたりするなどの部分的リフォームもあります。

部分的なリフォームは気軽にできる一方で、こまめに行なってしまったがために、キッチン全体をリフォームするタイミングを失ってしまうこともあります。

◆キッチン設備の入れ替え・新設をするリフォーム
既存のレイアウトはそのままに、キッチンの設備全体を入れ替えるリフォームです。

コンロ・シンク・流し台が一体となっているシステムキッチンの場合、部分的に入れ替えることが難しいため、リフォーム時にすべて交換することになります。

また、システムキッチンの入れ替えにともなって、食器洗い乾燥機やIHコンロなど、リフォーム前のキッチンには備わっていなかった新たな設備を導入することも可能です。
必要であれば、リフォームとタイミングを合わせて壁紙や天井クロス、床材の張り直しも行ないます。設備を一新すれば、キッチンの位置を変えずとも、イメージを大きく変えられます。

◆レイアウトの変更をともなうリフォーム
システムキッチンの位置を変更したり、独立型で離れた場所にあったキッチンをリビングと同一の空間に新設したりと、これまでのキッチンとはレイアウトを変更するリフォームです。

設備の入れ替えだけでなく、壁の撤去工事や配管工事などをともなうケースも珍しくなく、これまで紹介したなかで最も大がかりなリフォームです。

リフォーム前後でガラリと印象を変えられるものの、使い勝手も大きく変わります。
後悔するリスクも高くなるので、リフォームの際には特に慎重に検討する必要があるでしょう。

キッチンリフォームの後悔ポイント(カウンターキッチンリフォーム編)

ここでは、カウンターキッチンへリフォームした際に想定される後悔ポイントを4つ紹介します。

◆リビングが狭くなった
独立型キッチンや壁付けキッチンからカウンターキッチンにリフォームすると、もともとリビングとして使用していたスペースはどうしても狭くなります。

カウンターキッチンは壁付けキッチンよりも広い面積が必要なこともあり、壁の撤去や増築などをしない限り、想像以上の圧迫感を感じるかもしれません。

システムキッチンを置く面積に加え、通路や収納棚の扉を開いたときのスペースを確保する必要があることを理解したうえで選択することが大切です。

◆生活感が隠せず落ち着かない
おしゃれなイメージのカウンターキッチンにリフォームしたはずなのに、生活感が隠しきれないと後悔する場合があります。

特に、仕切りがないフルオープンタイプのキッチンを採用すると、開放感はあるものの、リビングからキッチンの様子が見えすぎて落ち着かないと感じるケースがあるようです。少しでも生活感を軽減したいなら、腰壁などで仕切られたセミオープンタイプのカウンターキッチンを検討するとよいでしょう。

また、低予算にこだわるあまり、チープな印象になってしまうこともあります。予算を上げることが難しいときは、削れるオプションはないかなど、プラン全体を見直してみましょう。

◆キッチンとリビングの統一感が損なわれた
リフォーム時に好みの色やデザインのキッチンを選択したものの、リビングの内装との統一感がなくなると、後悔につながりかねません。

リフォーム後の全体の統一感も考慮してシステムキッチンを選ぶか、予算があれば、新しいキッチンに合わせてリビングの内装も同時にリフォームすると、より満足度が高くなります。

◆リビングに煙や匂いが流れてしまう
換気について、カウンターキッチンの場合は特に慎重になる必要があります。カウンターキッチンにリフォームした場合、キッチンで発生した煙や匂いがリビングに流れることを後悔する人は少なくありません。換気が十分でないと、壁紙やソファ・カーテンなどへの匂い移りが気になることもあるでしょう。

カウンターキッチンにリフォームする際は、換気扇を効果的な位置に設置したり、排気容量にゆとりのあるレンジフードを選択したりすることで、リスクを軽減できます。

キッチンリフォームの後悔ポイント(設計・レイアウト編)

キッチンの設計やレイアウトに関する後悔事例を2つ紹介します。

◆物を置くスペースが足りない
キッチンの設計を考えるうえで、スペースは十分に確保する必要があります。
スペースが不足すると、ごみ箱を置く場所がなくて通路をふさいでしまったり、しまいきれない物があふれてしまったりするでしょう。
また、冷蔵庫をはじめとする大型キッチン家電の買い替え時には、スペースの不足からこれまでよりも大きな製品を選択できなくなるケースも想定されます。

このような後悔をしないためには、置きたい物に対するスペースを最低限確保できる設計で依頼することが大切です。
プロに任せれば間違いないと、提案されたとおりにリフォームするのではなく、家庭ごとに実際に必要なスペースを考えましょう。

特に大型家電に関しては、置くスペースだけでなく、搬入経路の確保も必要です。
冷蔵庫の寿命は10年前後といわれているため、次にキッチンリフォームを行なう前に買い替える機会が訪れるのが一般的でしょう。リフォーム後のキッチンに家電を運び入れられるかどうかも考えておかなければなりません。

◆動線が悪くなり作業効率が落ちた
毎日の家事は、効率的にこなしたいもの。調理や片付けでこまめに動き回るキッチンでも、家事動線は重要です。しかし、キッチンリフォームを機に動線が悪くなり、作業効率が落ちてしまうケースも残念ながら存在します。

キッチンで効率良く作業するためには、十分な通路幅を確保することが大切です。
夫婦や子供など、複数人が同時にキッチンに立つことが多い家庭では、特にストレスなく作業できることが重要視されます。また、収納棚や冷蔵庫の扉の開け閉めに要するスペースも想定する必要があります。

ただし、通路幅が広すぎても逆に非効率なことを併せて覚えておくとよいでしょう。同時に使う複数のアイテムが離れた場所にあったり、手が届きにくい場所に収納するしかなかったりすると、作業効率は落ちてしまいます。ゆとりがあるからといって通路幅を必要以上に広くする必要はありません。

キッチンリフォームの後悔ポイント(設備編)

◆作業スペースやシンクが使いづらい
キッチンの作業スペースとシンクの大きさが使い方に合わず、後悔するケースがあります。大きなシンクを採用して作業スペースが不足したり、逆に作業スペースを確保しすぎてシンクが物足りなく感じたりすることも。

後悔しないためには、現在のキッチン幅や使用する調理器具の大きさなどから、シンクと作業スペースそれぞれに必要な幅の目安を決めておくことが大切です。

また、同時にキッチンに立つ人数も考慮すると、より良い選択ができるでしょう。1人で作業するケースが多いのか、パートナーや子供も一緒に立つことが多いのかで、最適な広さは異なります。

◆キッチンの高さが合わず体を痛めた
デザイン性を重視するあまり、キッチンの高さの確認を怠ってしまい、後悔するケースは珍しくありません。キッチンは、高すぎても低すぎても使いにくいものです。高さが合わないと、首や腰を痛めてしまうこともあるため、慎重に選びましょう。

キッチンの高さは、最も長い時間キッチンで作業する方の身長に合わせて選択するのがおすすめです。身長に対する適切なキッチンの高さは、「身長÷2+5cm」で算出できますが、ショールームなどで実際のキッチン設備の前に立って確認するとよいでしょう。

◆汚れが目立ち掃除が大変になった
見た目を重視して明るい色のキッチンにリフォームしたために汚れが目立ち、こまめな掃除が必要になって後悔することもあります。

お手入れの楽さを優先させたい場合には、壁材・床材・カウンターなどは汚れが目立ちにくい色を選んだり、汚れが付きにくい素材や、汚れが付いても掃除しやすい素材など、素材の特性から選択するとよいでしょう。

◆機能や設備が過剰だった
リフォームを機に導入した機能や設備が不要だったと後悔するケースも少なくありません。

例えば、食器洗い乾燥機は、一度に洗う食器の量によっては手洗いのほうが効率的だと感じる方がいるのも事実です。

また、強化ガラスや木製・プラスチック製など、食器洗い乾燥機で洗えない食器は意外に多く、手持ちの食器によっては出番がほとんどないかもしれません。

そのほかにも、床下収納や高い位置の吊戸棚などは、取り出すのが億劫で使わなくなった、広いパントリーは活用しきれなかった、などの例も挙げられます。

後悔しないキッチンリフォームを実現するためのポイントや注意点

後悔のないキッチンリフォームを実現するためのポイントや注意点を紹介します。

◇リフォームの目的と優先順位を確認する
まずは、キッチンリフォームをする目的をハッキリさせることが大切です。必要なリフォーム内容を判断するため、現在のキッチンでの困りごと・悩みを洗い出し、どのように改善したいのかを考える必要があります。

リフォームの目的を明確にしたら、収納力・機能・使い勝手・広さなどの内容から、目的を達成するための優先順位を決めましょう。優先順位が決まっていると、業者から的確な提案を受けられ、後悔のないリフォームを実現しやすくなります。

◇リフォーム後の使い方を具体的にイメージする
キッチンをどのように使うのかをなるべく具体的にイメージすることで、後悔するリスクを減らせます。リフォーム前の使い方だけでなく、リフォーム後のライフスタイルを想定しましょう。

家電の大きさや置き場所などを具体的に決めておけば、必要なスペースやコンセントの位置を確認できます。

◇実際の設備を見て動線を確認する
ショールームなどに足を運び、キッチン設備の実物に触れる機会をつくりましょう。キッチンに立ち、実際に調理・配膳・片付けをするときの動線を確認することで、初めて気付けることもあるはずです。

ご自宅の間取り図面・設備図面を持参し比較すると、よりイメージしやすくなります。

◇キッチンリフォームに強い業者を選ぶ
後悔のないキッチンリフォームを実現するためには、リフォーム業者選びも重要です。キッチンリフォームの実績とノウハウがあるか、建築士やインテリアコーディネーターといった有資格者はいるのかなどを確認しましょう。

大切なのは、流行りやデザイン性だけで選ばず、それぞれの家庭にとって必要かどうかを適切に判断すること。リフォームに強い業者に相談・依頼し、後悔のないキッチンリフォームを実現しましょう。

ポラスでは、キッチンリフォームをはじめとする多くの実績があります。ショールームへ足を運ぶ前にご相談いただければ、必要な持ち物などの案内やアドバイザーへの事前連絡もできるため、ショールームの見学がスムーズです。

キッチンリフォームの目的を明確にし、使い方に合った設備やプランを選択できれば、毎日の作業がより快適になるキッチンを実現できるはずです。